日本経済新聞2018年7月4日の国際版35面の紙上の小笠原博殻・神戸大学教授のコラムが光っていました。
『パブリックビューイングでお祭り騒ぎするか、感傷的な賞賛しかしないサポーターと、欧州でじっくりと技術を積み重ねた末に負けて悔しがっている現場の選手との間にズレがあるのではないか。』
まさに日頃感じていた違和感を見事に合点がいく説明をしてくれた指摘です。
今回のサッカーW杯は、選手に対するインタビューアーの質問の稚拙さも一部物議を醸していました。
日本は素晴らしい国で日本人も勤勉で優しい人達…
という総論は外国で生活している自分にとって、
その通り!
と思います。
ただ、政治とスポーツに対してのレベルは世界的に低いのではないでしょうか?
日本にはスポーツジャーナリズムが無い…
そもそもスポーツジャーナリズムとは何か?
という議論は他の機会に譲るとして、
スポーツも政治も語れない、語ると友人を失う?、格好悪い?…
などと、ネガティブなイメージが出てくるのも事実。
それなら、周りの雰囲気に合わせて(迎合して)、
全然、悲しくも無いのに涙を流したり、
キャーキャー騒いでいる方が良いのでしょうね。
マスコミのレベルの低さに呆れて、日本を離れたアスリートの代表と言えば、
イチロー選手。
引退後に彼が何を語り、どんな活躍をするのか大変興味があります。
2007年10月28日ヤンキースタジアムにて
野球界では元巨人の桑田真澄さんなどのコメントも非常に興味深いですね。
特にPL学園時代の話を交えたり、指導方法などはもっと世の中に出てきても良いと考えます。
先のラグビーのW杯では、五郎丸選手のルーチンが話題になりましたが
その報道の仕方はやはり低レベルでした。
IOCの公式メンタルトレーナーから直接個人的に指導を受けた自分としては、
レベルの低さに呆れたものです。
五郎丸選手のメンタルコーチの荒木香織さんの取組などをもっと深堀し、広く報道することが出来れば、日本のスポーツ界にメンタルトレーニングの重要性がもっと浸透したチャンスだったと思います。
現在のメンタルトレーニングの世界は、企業経営者に対してなども広く行われているそうです。
体・技・心
心・技・体
日本では、心の部分が根性で表されることがまだまだ多い。
技術的な部分は、理屈に合わないことをいまだに強要する勉強していない指導者が多い。
体の部分は? 栄養学や睡眠の科学(成長ホルモンの分泌)などを指導する必要がある。
日本人は真面目で勤勉です。
きっかけさえ掴めれば、それを元に地道に研究し大きく羽ばたかせることが
可能な民族です。
試合で結果が出なくても、
満足できずに涙が溢れ出してしまっても、
正しい方法で努力した結果は、人生の他の局面で絶対にプラスになります。
そんな事をこのコラムを読んで思いました。