斜陽
西に傾いた太陽。また、斜めにさす夕日の光。
ただ、この意味で使うなら夕陽の方がしっくりきます。
比喩的に、時勢の変化で没落しかかること。
かつて栄えたものが時代の流れについていけず衰えるという意味の方が合っています。
これは、太宰治の小説がきっかけです。
高校時代、太宰の作品は全部読みましたし、図書館で人となりを研究したり墓参りもした好きな作家でした。
最近、日本という国が斜陽になってしまっているようで残念です。
決して産業が衰退したとか国力が落ちたとかという事では無くて、誇りが消えてきたという感じがするのです。
かつて大繁栄を誇った大英帝国。
今のイギリスが斜陽という感じかというと全くそうは思わないのは、彼らが誇りを失っていないからだと思います。
戦後、高度成長期を経て経済的に大復活した日本。
フランスの高級ブランド街で商品を端から端迄買いあさってヒンシュクを買っていたかつての日本人は、何故か今中国人の旅行客を馬鹿にしたりしています。
(30年前は日本人も同じだったんだけどね)
これは、多くの日本人が経済的に満たされ、誇りではなく、物質的な優越感を持っていたから。
世にいう島国根性です。
経済的にはもう15年以上も前に個人レベルでは世界に後れを取り始めている事を実感しています。
海外出張の際、犯罪に巻き込まれたらと心配していたら、現地の人に
”大丈夫、誰も日本人なんて襲わないから”
”え?何で?”
”だって、日本人金持ってないじゃない”
と言われ、ショックを受けました。
ジャカルタに駐在している時ももはや現地の人の方が実質的に日本人よりも裕福な生活をしていましたね。
(職場の課長にもなっていない職員の家庭でもメイドを普通に雇っていましたし、日々生活レベルが上がっているのが一緒に仕事をしていて目に見えてわかりました)
そして、今国会で野党が大騒ぎしている、
7万円の接待
公務員の方が利権の関係する民間業者と接待を受けるのは法律で認められていないので、そこはアウト。ただ、司法に任せて欲しい。
それよりも、7万円という金額で野党が騒いでいる事。
日本も貧しくなったものです。
話は戻って、日本人の誇りについて。
海外に住んでいると、日本人としての誇りを強く感じる時があります。
それは、何か?
やはり一つの国家として2000年以上存在している事を土台にしている精神的な文化。
これはもう他の国には絶対的に持っていないもの、出来ないんです。
今の日本が滅亡しない限り、何処の国も追いつけません。
経済力は今後どんどん落ちてしまい、ある調査機関では2050年のGDPランクで日本は世界の9位まで落ちると悲観的なデータがあります。この予測の10位はインドネシアです。
「参考」
http://www.keidanren.or.jp/21ppi/newsletter/pdf/interview_26_all.pdf
この調査で面白いのがイギリス。
2010年にGDP世界6位のイギリスは2050年の予測で6~7位を維持していること。
今の大学生の多くが社会の重要なポジションを占める30年後に日本が更に没落する事は避けたいところ。
その為には誇りを持つこと。
日本について外国の人に語る事が出来るようになること。
今の日本人に必要な教育だと思うのです。