梅の時期になるとそれはそれは言葉に言い表せない 素敵な香りが 街中を覆っていました…
日本一の梅の郷…
東京都青梅市吉野梅郷…
夜は白梅が ぼぉっと ほんわりとぼんぼりの灯りのように浮かび上がっていました。
そんな美しい街が好きで湘南生まれの自分は、この地に家を建てました…
それが、2009年日本国内初となる植物病ウメ輪紋ウィルス(プラムポックスウィルス)に感染が見つかりました。
関係者の懸命なる努力にもかかわらず、2014年にほぼ全ての梅を伐採せざるを得ないという、
とても悲しい事になってしまいました。
梅農家では、高齢化が進んでいる中、後継者もいない所へこの厳しい状況となり、
土地を売って宅地にしてしまったところも数多くありました。
あの芳醇な香りを失ってしまったのです…
ウィルスの特性上、伐採後3年間は再び梅を植える事は禁止…
その間、ジャカルタに駐在していたので、悲しみを直接見る事が無かったのが
自分の心にとって、少しの救いでした…
今年、会議があり、日本に一時帰国…
テレビなどは桜の開花の話題で盛り上がっています。
青梅市は標高が200m余りある為、都心部と比べて桜の開花が少し遅いです。
その代わり、梅のシーズンなんですね。
今年、いよいよ梅の郷 再生に向けて、植林がスタートしたようです。
かつて、見事な梅林だったところに、小さな小さな苗木が植わっていました。
梅は桜と異なり、成長がとてもゆっくりです。
伐採をした頃になんとか戻るには、まだ20年以上はかかるでしょう…
それでも、夜 JR青梅線 日向和田駅を降り立った時、
梅の香りが鼻にスッと入ってきました…
とても嬉しく、
老後の生活に梅の香りがセットでついてくることを夢見る事ができます。
春分の日、天気予報は風が強いとなっていましたが、穏やかな1日となり、
少し散歩をしました。
伐採されずに少し残っている梅が山の斜面に咲いています。
紅梅がとても好きです。
紅梅って赤い花が咲くから紅梅というのではないそうです。
枝の断面が赤いから紅梅というので、紅梅なのに白い花が咲くこともあるとの事?
一部、伐採されなかった梅が残っています。
この基準が何かはわかりません。
まんが日本昔ばなしに出てきたような梅の公園も今は寂しい状態からの再スタートです。
かつての美しい吉野梅郷の復活を本当に祈っています。