アメリカでの滞在期間は、ビザ免除プログラムによって、電子渡航認証システムESTAにより、90日間の滞在が認められています。
一般的に観光目的の場合は、このプログラムで渡米します。
留学生や駐在員は当然ビザを取得して90日以上の滞在を出来るようにしないといけない訳です。
自分のビザステータスは E-2。
有効期限は5年間で何度でも再申請が可能です。
ここで、勘違いしやすいのが(駐在員の方にとって当たり前ですが)、ビザの有効期限と米国に滞在が出来る期限は異なっていること。
米国の出入国記録(I-94)は、2013年6月から導入された電子式自動出入国審査システムの事(その前は白色の用紙に必要事項を記入して、半券がパスポートに綴じられていました)。
この I-94 で認められた期間(最長2年間)しか滞在できません。
ではどうするのか?
有効期間内に一旦アメリカを出国して再入国すれば自動的に更新されます。
多くの日本人駐在員は日本に一時帰国するかバケーションで海外旅行をしていました。
が…
昨年(2020年)からの新型コロナの影響で、アメリカにステイせざるを得ない日本人が続出している状況になりました。
アメリカ政府も延長措置を取ったりしていましたが、今年になるとやはり正式に更新をしたいと考える人が増えたのではないでしょうか?
この I-94 の更新方法は、いくつかあります。
・出国する
・延長申請をする
・国境の移民局の事務所へ駆け込む(簡単な手続きですぐに延長が出来るらしいです)
周りの日本人で延長申請をされている方がいらっしゃいますが、この混乱の時期で半年たっても正式に審査結果が出ないそうです。
(申請をした時点でI-94の滞在許可日内であれば、手続き中に過ぎても大丈夫らしい)
ただ、この延長申請は240日しか認められないので、手間が多いわりに落ち着けないです。
そこで、出国を選ぶわけですが、どこに行くのか!?
在米日本領事館やメキシコの領事館、旅行会社に問い合わせてもケースバイケースで保証が出来ないという回答のみ。
どういうことか?
ちゃんと、出国が認められて、無事に米国に再入国が出来るのか?
そして、I-94がちゃんと更新されるのか?
という事が情報錯綜していてよくわからない訳です。
そんな中、無事更新が出来たので、その情報を共有します。
現在、アメリカとカナダは国境を閉鎖中(2021年9月に開く予定ですが)。
日本は自主隔離期間も長く、仕事上でも選択外!
候補国は、
メキシコ
バハマ
ドミニカ共和国
まずは、ドミニカ共和国。職場の米人が呑気にバケーションで行って来ました。
リゾート地なので帰国前にホテルでPCR検査を受けて、問題無く帰ってきました。
オールインクルーシブのリゾートで言ってくるならお勧めですね。
次いで、バハマ。
ここもリゾート地。問題無く更新が出来るようです。
が!
空港がとても混んでいて、出発の3時間前に空港に入っても乗り遅れる可能性があるとの事。
バケーションを兼ねて行くならここも良いですね。
そしてメキシコ
メキシコも候補地が色々あります。
在メキシコ日本領事館に確認すると、メキシコシティは問題無く更新が出来ている。
一方、カンクーンやロスカボスなどの観光地も問題無いと思われるが情報が入っていないという事でした。
そこで、メキシコシティを選択です。
【アメリカ出国迄】
アメリカン航空でダラス経由の便をオンラインで予約。
出発日1週間前にメールでメキシコ渡航についての要求事項の確認メールが入ります。
(帰国時の注意事項も同様に入ります)
メールにリンクが貼られているのでそこをクリック。
2021年8月時点で、メキシコ入国時にPCR検査結果などの提出は不要。
マスクの着用だけが義務付けられています。
そして、Forms and Documents の記入が必要になります。
これは、オンラインで入力する方法とPDFファイルをダウンロードして印刷して記入する方法があります。
自分の場合は、オンラインがエラーになっていたので、印刷して記入しました。
出発時にナッシュビルの空港カウンターに行き、通常通り発券をしてもらいます。
(オンラインで発券はこの時は出来ませんでした。多分オンラインで入力をしておくとカウンターに行く必要が無いと予想します)
後は普通に登場し、ダラス経由でメキシコシティに到着。
【メキシコシティ到着】
メキシコシティのイミグレーションで印刷しておいた紙を提出して終わり。
税関申告書は必要なし。
出入国カード(FMM)は、事前に貰っていたのでそれを記入して提出。
半券は出国時に必要です。
この出入国カードは事前にオンラインで出来るようになっているようです。
https://www.inm.gob.mx/fmme/publico/ja/solicitud.html
【PCR検査】
米国に入国する3日前以内の新型コロナウィルスの陰性証明が必要になります。
これは、空港内の至る所で検査が出来ます。
自分が受けたのは、PCR検査で2,000ペソ(約1万円)。検査結果が出る迄1日余り必要でした。
同僚は700ペソの別の検査(30分程で結果が出る)を受けたとの事です。
英語が喋れる人が殆どいないので、難しいですが安く早い検査場所を見つけるのが良いですね。
PCR検査の手順は、
パスポートを持参して出国時間を説明。
お金を払って、検査ブースへ
綿棒で両方の鼻の穴にグッと差し込み、別の綿棒で口の中を拭る感じで検体採取。
パスポートを返却してもらう時に検査結果の案内用紙を貰います。
この時にメールアドレスを申告しておくと、結果がPDFファイルで送られてきます。
検査は夜の7時過ぎ、結果が届いたのは翌日午後1時でした。
【メキシコ出国】
メキシコ出国時の方が少しややこしいです。
スマホのアプリ VeriFLY というものをインストールします。
VeriFLY: Fast Digital Identity on the App Store
インストール後、”アメリカへの旅”という項目を探してクリック。
後は画面に指示に従って、入力をします。
顔をセルフィで撮影して登録
個人情報を登録(生年月日やパスポート番号など)
PCR検査結果をQRコードかマニュアルで入力
自分の場合は、QRコードがエラーになったので、送られてきた検査結果の情報を手入力しました。
記入事項は、検査日時、検査機関など。
きちんと入力して送信をすると2分位で審査結果がメッセージで戻ってきます。
(検査日時の時間を間違えて入力したりすると、認証されないというメッセージが入ります)。
無事に審査結果が合格になると、アメリカン航空のアプリでチェックインが出来るようになりました。
Walletに搭乗券をアップして終了。
ここまで出来ると、出発前にカウンターに行かずに済みます。
とても混雑する事が予想されるので、これはとても重要です。
出発日、セキュリティチェックのゲートへ直接向かいます。
入り口には係員がコロナ検査の結果の証明書を求めてきます。
自分は、VeriFLYの画面を見せてOKでした。
入り口を過ぎてすぐに搭乗券とパスポートを提示。
通常のセキュリティチェックとなりました。
(いざという時の為にPCR検査結果をホテルで印刷しておきました。それとアメリカン航空のリンクのページにあった、Mandatory travel declaration formを印刷し記入しておきました。このフォームはVeriFLYで求められるものと同じでPCR検査をした等の宣誓書です)。
セキュリティチェックからは通常の旅行と全く同じです。
特に書類を求められる事はありませんでした。
【アメリカ再入国】
ダラス・フォートワース国際空港に到着し、イミグレーションへ。
審査官にパスポートを提出しようとしたら必要無いと。
”マスクを外してカメラを見て”
”E-2?”
”そうです”
終了!
”え? パスポート要らないの?”
無言でさっさと行けと…
I-94の更新に来たのにパスポート見せなくて平気なのか?
でも、E-2とわかってたし。
すぐにHPで更新できているかを確認。
良かった~。無事に更新できていました。
顔認証システムだと思いますが、それまで時間がかかった入国審査が一瞬です。
技術の進歩は凄いですね。
以上が I-94 更新の旅でした。
おさらいです。
アメリカ出国時は特に何も必要がありません。
メキシコ入国時に書類提出(航空会社からフォームが送られてくる)かオンライン入力が必要。
メキシコシティは空港でPCR検査が受けられます。
メキシコ出国までにオンラインで必要事項をVeriFLYのアプリで入力。
これで、コロナ禍での米国 I-94 の更新手続きが無事できます。
同僚が2週間前に同じようにメキシコシティに行って来ましたが、手続きがもっと面倒だったようです。どんどん便利になっているのだと思いますが事前に良く調べておくことが必要ですね。