今でこそ日本の女子フィギュアスケートはオリンピックで常にメダルを狙える位に競技力が向上していますが、昔は随分と違いました。
欧米の選手に比べて体格面でどうしても劣ってしまう部分がありましたし、表現力が世界に全く通用しないなどと酷評もされていました…
クラッシック・バレエなどの文化的な理解も足りないからなどと、随分な叩かれようでした。
そんな女子フィギアスケート界で国民の期待を一気に背負ったのが伊藤みどり選手でした。
それまで渡部絵美選手が日本の女子では圧倒的な強さを誇っていましたが、世界の舞台では優勝を狙える位置にはいませんでした。
伊藤みどり選手は女子で世界で初めてトリプルアクセルを成功させたのは有名です。
金メダルを期待されて参加した1992年のアルベール冬季オリンピック。
今からちょうど30年前です。
フリー演技で冒頭のジャンプで転倒…
もうトリプルアクセルを諦めるのか??
演技の終盤、彼女は予定を変えて改めてトリプルアクセルに挑戦…
今なら加点がもらえる終盤でのジャンプ…
そして見事に成功!
その瞬間の彼女のガッツポーズは今でも鮮明に記憶に残っています。
残念ながら銀メダルでしたが、表彰台の上で飛び上がって喜びを爆発させている彼女は本当に嬉しそうでした…
この大会の銅メダルは、ナンシー・ケリガン。
4位にトーニャ・ハーディング (共にアメリカ)。
この二人が2年後のオリンピックで大騒動を起こすとは誰も想像していませんでした。
1994年のリレハンメル冬季オリンピックは夏の大会と2年ずらすことを決定したため、前回大会からイレギュラーで2年後に開催されました。
アメリカの代表を決定する大会前にナンシー・ケリガンが何者かに襲われて足を負傷。
代表戦に出場できなくなりました。
その後、ライバルのハーディングの元夫が襲撃の犯人として逮捕。
(後にハーディングも知っていたことを認め、司法取引をしています)
もうオリンピック大会前にマスコミは大騒ぎ。
そして、フリーの演技が始まる時にハーディングがリンクに出てこない…
なにやらシューズの紐がどうたらこうたら…
失格直前に出てきて演技をスタートしたらジャンプで転倒…
演技をやめて審判団の席に向かいテーブルに足を乗せて紐がほどけたとかの猛抗議。
結局、やり直しが認められるとかいう前代未聞の大会になったんですね。
紐のトラブルは男子フィギュアの織田信成選手もありましたが、彼は清く受け入れていましたね。
2010年のバンクーバー冬季五輪のことでしたね。
この大事件から30年経ち、また北京で新しい大事件が女子フィギア界を襲ってしまいました…
ロシアの選手が金メダルを取ると20億円位の価値があるんだと聞いたことがあります…
事件の影にはお金(金メダル以外の)が絡んでいるのでしょうか??
少なくとも名誉だけの為じゃないんだろうけど、住む世界が違いすぎてわからないなぁ。